行くぜ京都☆生霊をはらえ!の旅[1]|占い師編

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旅・ロケ

今年の4月、「わたしは京都にたどり着けない」といったような記事を書いた。

かつて6回の京都旅行を企てるものの、ものの見事に弾き飛ばされてきた。上記の機会にようやくなんとか京都にたどり着けたものの、行く手を阻むかのような2日前からの調子の悪さに、京都旅(ロケハン)2日目の雨がとどめとなり40度の高熱にダウンし余韻もなく自宅に戻って5日ほど寝込んだ。

実はその後、2回も京都行きの予定が組まれたものの、仕事の相棒が階段を踏み外して骨折、愛犬の旅立ちと重なり、やはり京都をぞんぶんに堪能することはできないでいた。

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閑古鳥カフェが人気カフェに

近所に数か月前まで、閑古鳥が鳴きわめていたカフェがある。味はいいしホスピタリティも申しぶんないのになぜか客が定着しない。

オープン初日から顔を出していたわたしは数少ない常連客であり、ときどき「留守」を頼まれていた。

今年に入ってからはなにかと忙しかったり、懐に余裕がなく足が遠のいていたのだけれどふと店の前を通ると見慣れないプレートが提げられていた。

占い15分1,000円。

「ひさしぶりー。誰が占いするの?」
「ワ・タ・シ」
「当た……」

15席中、12席が人で埋まっていて3席がお客様達のバッグ置き場になっていた。どうやら当たるらしい。

「また来るわ」
「ごめんね! 待ってまーす」

カフェ特有のあまい香りに後ろ髪をぐいぐいとひっぱられたけれど、満員御礼。座る席もなかったし、後日出直すことにした。

占い師がヘンなこと言った

後日――。

1時間半ほど留守を預かった御礼に、ランチプレートと占いをご馳走していただけることになった。

「占いで見てほしいことがあるんだよね」
「お仕事ですか? 恋愛ですか?」
「どうしてもまともに京都にたどり着けないの」
「行きたいのに行けない?」
「すっごくそんな感じ」
「先入観が入ると嫌なので、これ以上の情報は入れずにとりあえずこのままタロットを引きますね」
「うん」

「あー。昔1度京都に行かれてますね? 男性と」
「おお……すごい!」
「その男性には当時、彼女さんか奥さんがいませんでしたか?」

「いたいた。内縁の彼女さん。彼女と別れないなら付き合う気はないですって断って、大晦日に初詣だけいったの。どうせ私は3月から上京することが決まってたし、付き合うわけもないから思い出づくりくらいの感覚。京都に行ったこともなかったですし」

「自分達がうまくいかなくなったのは、メロディさんのせいだってその彼女さんずーっと思ってたみたいですよ。彼と京都に行かれたのも知ってるみたいですね。八坂神社ですかね……?

「神社の名前は忘れたんですけど、大晦日の夜で車は通行止めになってて広い道路をまっすぐ歩いたような記憶があるんだけど、なんせ18歳の時以来まともに京都に行けてないから名前までは憶えてなくて」

たぶん八坂神社だと思います。八坂神社に行かれてください。そしたらもう離れてくれます」

「離れる?」
「はい。ずっと彼女さんの念が憑いてたみたいですね 笑」
「生霊的な?」
「そうとも言いますね、八坂神社にお詣りする目的で京都に旅行してきてください」
「お祓いは必要ですか?」
お詣りしたら離れます。もうそこまで強い念ではないみたいなんですけど、執着はすごかったと思う」

そうだ、京都へ行こう。生き霊をはらいに八坂神社に行こう。ついでに、清水寺の舞台へもあがってみよう、そうしよう。

\着いたー/

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