うざゴリ#26|ひとり暮らしの親の孤独死×踊る、ハゲおじさん

うざゴリ

齢73にして母から三下り半を突きつけられ「ポイ」された父。
私たち姉弟の大好きだった父は今は昔。

「縦のモノを横にもしない大酒のみの頑固なウザいゴリラ」と化した父は、浴室からひとりでぽっくり旅立った。山積みの問題と未処理の面倒と、どうしようもない笑いを数多く遺して――。合掌、うざゴリ(没75)

うざゴリ~シシテ尚、迷惑をかける父へ贈る最期の小言 #26

「法務局で土地建物の証明書、一通もらってきました」
「よっしゃ」とハゲたおじさんのスタンプが返ってきた。

「このままdocomoショップに行って、父の携帯を解約してきます」
「いいね」とハゲたおじさんのスタンプが返ってきた。

ハゲたおじさんのスタンプを使いこなすオジサンはハゲてはいない。
私が勝手に名付けた通称は『68歳 伊藤さん』

職業は弁護士事務所の所長。いわゆるボス弁。出会いのきっかけは、目下三足の草鞋を履いている私の副業のひとつ“ライブチャット”のお客様である。

昨年の夏の日、永代供養をお願いしている寺で「ゆりこやろ!」と声をかけられたのが実社会での初対面。私が初めてオンライン外で会った、実在する(?)男性会員さんである。

「お姉ちゃんって職業柄、顔広いでしょ?」
すぐ下の弟は、やることリストをまとめた手帳を覗き込んだ。

「たしょう……はね」
「安くて腕のいい弁護士さん、知り合いにいない?」
「人情ドラマに出てくるようなそんな弁護士、知り合いにいな……」

いた。やばい、いた。いる! 

引用元/うざゴリ#15|ひとり暮らしの親の孤独死×父、桃色に染まる

68歳伊藤さんに連絡を取ったのは、父の死からおよそ2週間後。

今回伊藤さんに連絡したのは、相談があるからなのでした。
相談というか、お仕事として依頼をうけていただきたいからなのです。

先日、実家のお風呂場で父が死んでいました。それに関する色んなこと、わからないことが多すぎて「司法書士さんとか弁護士さんに依頼しよう。誰か知り合いいない?」と弟達から言われたんです。

わからないことだらけなんです。なので、きちんと伊藤さん/伊藤さんの事務所にお仕事として依頼して助けていただきたいと思って連絡を致しました。

「相続とか何でも大丈夫。弁護士・司法書士・税理士、あらゆる士業を全て一括で手配できますので心配しないで! ゆりこ頑張れ!」


私達には知恵も知識も圧倒的に足りないから。
knowledge is king。わからないことだらけの状態からようやく抜け出せる。

-つづく-

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