脚本家になる前にいくつかのスクールに通っていました。
講師は7割くらい固定なんだけど、著名だったり滅多と会えない大御所だったり、“旬”な脚本家や劇作家の先生方がサプライズ授業をしてくださったおかげで、飽きることなく諦めることもなく夢に向かってがんばれていました。
その夢はのちにプロの脚本家になって3年で、ぼっきりと鼻を折られ心を割られ自ら筆を二分割するわけですが、やはり書く仕事は諦められず企画構成の道に活路を見出し、気づくと20年――。
上手い文章を書く→書き言葉のくせをつける
文章の上手い下手は、読み手に委ねられていることも多い。
読み手に読解力や想像力があるから、すんなりと受け入れてもらえる。ただし、それでも「基本」みたいなものはやはりそれなりにあって。
- 「話し言葉」で書かない。
- 「書き言葉」で書く。
例をあげると「こないだ」と「この間」。前者は話し言葉、文章にするなら後者。
細かいけれど読ませる文章を書くのであれば、『てにをは』を省かないだとか「書き言葉」を用いるなんていうのは基本中の基本なので身に着けておいて損はないかもしれません。
上手い文章を書く→特定の1人を浮かべて書く
多くの人に読んでもらいたい文章ほど、多くの人に向けて書いてはならない。
実はこれがすごく重要で、不特定多数に読まれることを意識して書いた文章はそれがエッセイやコラムであっても「歌詞」であっても、作者本人の軸が薄らぎ、結果として誰にとっても6~70点の文章になります。
ありていに言えば「八方美人は誰からも本気では好かれない」。
誰にでもいい顔をする人を「胡散臭い、信用がならない」と見るむきは多いですよね? それとまったく同じです。
この文章を誰に伝えたいか?
“実在する”たった1人を思い浮かべて、その人に向けて全力で書く。
結果としてそれが予想もしない不特定多数の心に響くことは非常に多いです。これは執筆を生業に、文章で実際に食べているプロなら間違いなく頷いてくれることでしょう。
たとえば「25歳前後の特定の誰か」に教えを説きたくて文章を書くとします。であるならば絶対にしてはならないのに、やりがちなミスがあります。
上手い文章を書く→オジサンに多いやりがちなミス
それは『25歳前後の若者にピンとこない漢字や表現、文字使いをすること』です。今どきこんな人もいないとは思うんだけど……普段は絶対に使っていないのに「小生」とか言っちゃうみたいな。笑
わからん、わからん。
小生なんて伝わんないじゃん。
伝えたい文章は「停まり」ができる限り少ない方がいい。読み手が「え? これなんのこと? なんて読むの? どんな意味?」と読むために使っていた脳や目を停めずに、すんなりと読み進められるように書くこと。
「小生」をわざわざ使いたいかもしれないけど 笑 それは夏目漱石さんや太宰治さんに向けて書きたい時に使ってください。令和を生きる若者には使っちゃダメ。
悩める小学6年生の女子に向かって「とはいうても、人間万事塞翁が馬やからねえ」なんて励まさないでしょ? “実在する”たった1人を思い浮かべて、その人にわかる言葉、その人が「停まることなくすんなりと受け入れられる言葉を用いて書く」。
上手い文章を書くための基本中の基本のき。お届いたしました。ではまた~♩
Written by Melody(・`ω・)✧