読書家の方や活字が好きな方なら、「ああ! 確かに!」と納得してくださるかもしれません。
上手い文章≠惹きつける文章
上手い文章と、惹きつける文章は似ているけれども違います。
両者ともに人に読ませられるほどの文章力が備わっているのは勿論なんですけど、たとえて言うなら前者は「松山千春さん」後者は「ADOさん」。前者は「安全地帯の玉置浩二さん」後者は「米津玄師さん」。
もっと端的にいえば、
- 誰が聴いてもどこを切り取っても上手い。巧み。
- 年齢層によって「うるさく」聴こえる層と「個性的でかっこよく」聴こえる層にわかれる。
出版社に勤める知人曰く、上手い文章を書ける新人作家には「直し」を入れるけど、惹きつける文章を書く新人作家には「直しが入れられない/入れづらい」。なぜなら編集者の自分が個性に手を加え、個性(=価値)を消してしまうわけにはいかないのだそう。
読み手(主に若い世代)を惹きつける文章は、練習次第でうまくなることはほとんどない。そこにあるのは代えのない個性だからだ。
ただし、ちょっと個性的に見せて、続きが気になる……と思わせられる書き方はある。
微弱のインパクトで印象付ける→自己紹介を例に
よくある自己紹介文
はじめまして。神奈川生まれ小田原育ち、趣味は料理と登山の山田と言います。昭和57年生まれの戌年、B型です。よろしくお願いします。山さん、山ちゃんなど気軽に呼んでください。
ちょっと気になる自己紹介文
昨日もテンパリング、今日もテンパリング。趣味は週に3回のスパイスカレーづくりですが、テンパリングの工程がめんどくさいなあといつも思っています。山田です。
テンパリングとは?
一般的にはなじみの薄い単語を『冒頭』に持ってきたり、造語を『冒頭』に持ってくる技法。
人って自分の中に「自己紹介ならこうあるべきだ、こうあるものだ」みたいな暗黙の了/ルールを持っていることが多いため、そこから外れたものに興味や好奇心、もしくは嫌悪感を抱きます。
惹きつける文章はいわば個性だ、米津玄師だADOだと書きました。好き嫌いが二分し、賛否が半々くらいになるものが、強烈にインパクトを残すと言われています。
実業家のホリエモンさんや経済学者の成田悠輔さん、ひろゆきさんのSNSやご自身の動画のバズらせ方もまさにこの手法ですね。※ご本人達が各々、過去に発言されています
文章力に「巧さ」はあれど「個性」は欠けている場合、わずかに個性的に見せる方法はあります。ただし、好き嫌いがわかれることがあります。しかし根強いファンに末永く支えられるという強いメリットもあります。
惹きつける文章や微弱のインパクトで印象を残す技法は、たとえば
- 出会いを求める男女が多く集うネットサイト上での自己紹介文
- SNSへのポスト
- LINEやメールの送信、返信
- 若い世代とのLINEやメールのやり取り
などなどの短文が好まれるシーンでとくの大きく役に立ちます。
ただし注意すべきは、個性を出そうと狙いすぎてドンずべりしてしまうことです。
かつて某所で、数多の男女の自己紹介文を目にする機会がありましたが、ドンずべるほどはっちゃけてるオジサンの自己紹介文をちらほら見かけました。笑
笑えるのでそれはそれでいいんですけど、上手い文章や惹きつける文章を書くよりもまず必要なのは「客観性だろうな」と思う私でありました。ではまた~♩
Written by Melody(・`ω・)✧